学位授与機構で看護学士を取得した話~学修成果完成までの道のり~

以前に大卒看護師(看護学士)になるために~学位授与機構の利用~という記事で、学位授与機構を利用し、大卒看護師を目指すという記事を作成しました。

その結果が3月に来ました。

学位授与機構の審査に合格し、学士(看護学士)の学位を授与されました。

ついに大卒看護師になったわけです。

純粋に嬉しい。

地味に長い道のりでした。

日頃から文章を書いている人ならともかく、いきなり何万字のレポートを書くって結構しんどい作業です。

学位授与機構の公式ホームページを見れば、どのような学修成果レポートを作成すればよいか書いてはあるものの、内容自体は自分で決めなければなりません。

何を書けばよいのかも分からないとなると余計にレポート作成の第一歩が重いですよね。

広大な範囲の中で何のテーマを設定すればよいのだと思ってしまいます。

そんな悩みをどうやって解決していくかというとやっぱり人のレポートを見たりして、それらを参考にしてみる事なのではないかなと思います。

自分がやりたいテーマを設定してレポートを作成する必要があるかと思いますが、ある程度どんな感じで書けばよいのかはイメージが湧きやすくなりますよね。

ということで今回は私が学修成果レポートを完成までの道のりを記載していきます。

この記事が、これから学修成果を作成する人のために何か参考になると嬉しいです。

目次

①学修成果のレポートを作成するに至った背景

②学修成果レポートの目次

③私が学習成果レポートの際に注意したポイント

④参考にした本

①学修成果のレポートを作成するに至った背景

私が学修成果レポートを作成するに至った背景は「患者の自殺」です。

精神科救急に就職して間もなく、私は患者の自殺に直面しました。

最終健在を確認したのは私であり、その後患者が自殺していた場面を発見したのも私でした。

これまで臨床で「患者の死」というものは経験してきましたが、「患者の自殺」は初めての経験でした。

経験したその日、自宅に帰って私はひたすら泣きました。

どうしてこんなことになってしまったのか、気持ちの整理がつかない状態でありながら、患者への罪悪感、そして自責感。

数日、数週間、数か月経過しても、その患者の最後の姿が目に焼き付いていて、どこか自分の気持ちが遠くにいってしまったような感覚が残っていました。

そんな自分を支えてくれたのは同時期に就職した仲間と、病棟の上司でした。

特に病棟の上司は進んで勤務変更(私を休ませるために)を提案してくれたり、定期的に私に声をかけて気にかけてくれました。

それがすごく私にとっては支えとなり、徐々に気持ちの整理がつけられるようになっていきました。

そこでふと思った事がありました。

患者の自殺が発生した時、看護の対象者は患者の家族であるのはもちろんのこと、看護師も看護の対象になりえるのではないかと。

では実際に患者の自殺に直面した看護師のケアはどのような方法で、そしてどれくらいの割合の看護師がケアをしてもらっているのかという疑問が湧いてきました。

これが私が学修成果レポートを作成するに至った背景となりました。

②学修成果レポートの目次

これは実際の学修成果のレポートの目次です。

第1節 はじめに

第2節 患者の自殺・自殺企図に直面した精神科看護師の割合について

第3節 患者の自殺に直面した看護師の反応について

第4節 患者の自殺に直面した看護師の行動について

第5節 患者の自殺に直面した看護師の支援について

5-1 患者の自殺に直面した看護師が希望する職場支援のあり方

5-2 中立的な立場からの支援

5-3 デブリーフィングの実施の検討

第6節 総合考察

6-1 患者の自殺に直面した看護師の支援の重要性

6-2 患者の自殺に直面した看護師への支援への方法

6-3 患者の自殺が及ぼす看護師への影響を事前に学習しておくことの重要性

第7節 おわりに

第8節 引用文献一覧

このような目次となりました。

では実際の内容を簡単に以下にまとめていきます。

第 1 節では、精神科での患者の自殺に遭遇した筆者自身の体験から起こった反応や行動、そしてそれを契機に、今回の学修成果へと取り組むに至った背景を述べました。
第 2 節では、先行研究から、患者の自殺・自殺企図に直面した看護師の割合を紹介しました。
第 3 節では、先行研究から、患者の自殺に直面した看護師の反応、そしてその反応がどの程度継続するのかといった内容について紹介しました。
第 4 節では、先行研究から、患者の自殺に直面した看護師はどのような行動をとり、またストレスを軽減するために、どのような行動を取ることで対処しているのかについて紹介しました。
第 5 章では、患者の自殺に直面した看護師の支援に関する内容について述べました。

具体的に 5‐1 では、先行研究から、自殺に遭遇した看護師が希望する職場支援のあり方と共に、実際に患者の自殺に直面した看護師はどれくらいの割合で職場支援が得られているのか、どのような職場支援が得られているのかについて紹介しました。

5-2 では、患者の自殺に直面した看護師が望んでいる中立的な立場からの介入として、どのような職種からの介入があるのかを紹介しました。

5-3 では、患者の自殺に直面した看護師達、つまり看護チーム全体に対し、トラウマ反応が遅延しないようにストレスを軽減するとされるデブリーフィングの実施の検討について説明しました。
第 6 節では、1~5 節までの先行研究やデータを元に、患者の自殺に遭遇した看護師の支援の重要性、患者の自殺に直面した看護師への支援の方法に関する内容など、筆者の意見を中心とした総合的な考察として述べました。
第 7 節では、全体を通したまとめと共に、今後筆者が行っていく看護の方向性について述べ、また自分自身が今後もさらに学習を行っていきたい内容と課題について述ました。
第 8 節では参考文献をまとめました。

第1節から第8節までで合計12000文字になりました。

③私が学習成果レポートの際に注意したポイント

注意したポイントについて

1)レポートの文末表現

→基本的な事ですが「~です。~ます。」ではなく「~である。」と表現に統一しました。

2)自分の意見と、これまでの先行研究のデータをしっかりと分けて記載する

→学習成果レポートで重要な点は、自分が設定したテーマについて必要な情報を集め、それを根拠にしつつ、自分の意見や考察を述べる事だと思います。先行研究のデータや他者の意見をあたかも自分が考えたかのようにそのまま引用してしまうと大きな問題となってしまうので注意が必要です。

3)学習成果レポートは論文や看護研究ではないことを念頭においた

→学位授与機構のホームページを参考にしていただいた方が良いかと思いますが、あくまで学習成果は論文や看護研究である必要はないようです。

4)学位授与機構が指定したレポートの形式にそって、指定された文字数で記載する。

→どれだけ素晴らしい学習成果レポートを作成しても、指定されたレポート形式ではなかったり、文字数が不足している場合などは不合格になる可能性が高いと思われます。

5)誤字に注意する

③参考にした本

私が作成した学習成果レポートは先行研究と共に、いくつかの本を参考に作成しましたので、以下で紹介します。

ナースがもっと簡単に看護大学卒になれる本

学修成果完成のために必要な情報がグッと入っている本です。

これは絶対に1度は読まれることをオススメします。

表紙には「2週間で書ける学習成果レポート!」とありますが、実際どれくらいで書けるかは個人差があると思います。

テーマが決まれば早めに学修成果レポートに取りかかることをオススメします。

論文・レポートの基本

レポート作成のための基本的な内容がまとまっています。

私はサラッと読みつつ、あとはインターネットでググりました。

自殺の看護

学修成果レポート作成のために購入しましたが、本当に勉強になった本です。

精神科の看護師は患者の自殺に直面する可能性が高く、その際の対応方法や心構えについては学習しておくことが重要だと思います。

この本は学修成果レポートではおおいに大活躍しました。

一度読まれることをオススメします。

自殺の危機とカウンセリング

題名の如く、カウンセリングがメインの内容となっています。

デブリーフィングについての内容が盛り込まれていたので購入しました。

デブリーフィングはメリットだけではなく、デメリットもあります。中途半端な知識で実行しようとすると大きな問題になりかねないので注意が必要です。

また自殺に関して、心理士の介入の必要性など多職種の介入の検討に関しても考える必要があるなと考えさせられた本です。

自殺のリスクマネジメント

自殺の実態から、自殺予防におけるスタッフの役割や、自殺が起きた時の遺族、他の患者、医療者への対応まで幅広く盛り込まれています。

精神科看護師として必要な知識となることでしょう。

自殺予防学

直接学修成果レポートに引用した内容はありませんでしたが、自殺とは何か、自殺の本質を学習できた本でした。

精神科では自殺に直面する可能性が高い事を含め、自殺を予防するための知識やスキルが重要であるとあらためて感じました。

自殺企図

症例ごとに自殺に至る経緯や背景については大変勉強になりました(データ的には結構昔のものになるかなと思います)。

学修成果には引用する文献はありませんでしたが、素晴らしい本でした。

これらの本に加えて、いくつかの論文を読み、学修成果のレポート作成を行いました。

まとめ

今回は学位授与機構で看護学士を取得したことと、学修成果を完成させるための道のりについて記載していきました。

専門卒の看護師が大卒看護師になるためのルートはいつかあるものの、大多数は通信制大学+学位授与機構の利用で大卒看護師を目指すことになるかと思います。

そして学位授与機構の学修成果の作成でつまずいてしまうケースが多いみたいなんですよね。

日頃から文章作成をしていたりしない限り、いきなり文章を書こうとしてもなかなか上手くいかないことが多いと思います。

個人的に学修成果レポートをなるべくスムーズに作成するための方法は「自分が本当に疑問に感じること」「自分が興味を持っている分野」に関してのレポートを作成する事だと思います。

もちろんレポートや文章作成に必要な「序論本論結論」などの基本的なルールは覚えておく必要がありますが、それ以上にやっぱり自分が学習したいことでないと頑張れないものです。

まずは自分が興味のある分野や、日頃臨床で疑問に思っている事はないか探してみると良いと思います。

私自身、正直学修成果を作成する前は

「どんなテーマで何を書けばよいんだろ。」「ちょっと大変そうだなー。」

とネガティブな感情が先行していましたが、

自分が患者の自殺に直面したことによって

「このテーマでしっかりと自分自身の学びにしたい。」

と思えるようになってからの行動はとても早かったです。

上記でオススメした本を買い、論文をインターネットで探して、1か月もかからず読み切って、その後1か月程度で学修成果完成に至りました。

やはり自分が疑問に思った事、解決したいと思った事を学習するのが一番学びがあるし、自分のためにもなるかなと思います。

あとはある程度テーマが決まればとりあえず書く。

そして、書いていく中で都度修正していくしかないと思います。

学修成果レポートの作成時間は個人によって異なるかと思いますが、レポート作成が大変なのには変わりがありません。

しかし通信制大学で単位を積み上げて、学修成果作成まできたら、大卒看護師になるまでもうひと踏ん張りです。

残りのひと踏ん張り頑張っていきましょう。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済