精神科での夜間の巡視について大切なポイント

精神科では「巡視」は最も重要視される要素の1つです。

日中も夜間も定期的な巡視を行いますが、夜間の巡視においては特に注意したいなと個人的には思っています。

過去に夜間の巡視が十分に出来ていなかった結果、とんでもない事態に発展してしまったというケースもありました。

特に夜間となると看護師の人数も少ないのでより一層注意深く巡視をしないとなりません。

精神科で勤務しているとある看護師が夜間の巡視で気を付けているポイントを以下に記載します。

目次

①患者を起こさないようにすること

②患者の状態をしっかりと評価するまで待つ

③なるべくプライバシーに配慮する事

④環境の変化はないか確認する事

⑤患者の尊厳を意識する事

①患者を起こさないようにすること

とっても当たり前のことなんですが、

患者を起こさないようにする事。

これを一番大切にして私は行っています。

精神科に限らず、患者さんにとっては睡眠は心身ともに休息するための大切な行為です。

特に精神科の場合は、精神状態からかなり疲労感につながるケースが多いです。

急性期から回復期への以降のタイミングは非常に精神的な疲労と共に体力も使います。

精神科での睡眠の質は、治療へも大きく影響を受けると私は思っています。

だからこそ、巡視という行為で患者さんを起こさないように気を付けています。

・ドアを開けるときも細心の注意を払ってゆっくりと

・室内を歩くときは足音をなるべく立てないように

・懐中電灯は直接患者にむけないように足元から

次の日の朝、患者から「本当に巡視してた?」

と言ってもらえるくらいの気持ちで、静かにそっと巡視をします。

②患者の状態をしっかりと評価するまで待つ

巡視という行為において、重要な要素は患者の生存確認です。

自殺企図のある患者の場合においては、夜に自殺を図る行動をする方も時々います。

そのため、巡視の際は必ず患者の呼吸状態を目視で行う必要があります。

しかしながら、布団をしっかりと体が覆われてしまっている状態もあります。

そんな場合は布団の上下の動きがあるか(つまり呼吸をしているか)を確認するなどの対処が必要になります。

また寝息を立てているかというのも評価するポイントです。

私はこれらの確認が完了するまではその場から離れないようにしています。

長くても1分ほどあれば確認は終わります。

ですから、状況によっては病棟の巡視を他の看護師と行っても結構時間がかかるケースがあります。

ただ夜間、最も大切な仕事は巡視と言っても過言ではないので、それだけじっくりと時間をかけて良いと私は思っています。

③なるべくプライバシーに配慮する事

プライバシーに配慮する事もとても大切な事です。

病室は患者にとって生活環境です。

そして患者自身のテリトリーになります。

患者が寝ている間にそっと部屋にはいるわけですから、患者の立場からしたら普通に考えたら嫌ですよね。

考えてもみてください。

寝ている時に物音がしたので目を開けてみたら、懐中電灯をもった人がコソコソ病室を歩いているんですよ。もしくは近くで立っているんですよ。

嫌を通り越して、恐怖に繋がる可能性も十分にありますよね。

だから私は事前に消灯前に、患者に説明しています。

「定期的に巡視をしますので、ドアを開けて様子を見るときもあります。起こさないように気を付けますが、目を覚まさしてしまったらすみません」と。

この一言があるだけでだいぶ、患者の看護師に対する気持ちや、捉え方も変わると思います。

夜間、そっと患者の部屋に入っているという時点でプライバシーの点には踏み込んでいるわけです。

ですからなるべく事前の声かけや対応で配慮している事を伝えるという事が大切だと私は思います。

④環境の変化はないか確認する事

巡視では、患者の安否確認と共に環境に変化はないか確認するという事も大切なポイントだと思います。

精神科においては、環境の変化はなにか患者の気持ちの変化によって起こる場合もあります。

ただ単純に物の位置を変えただけという事もあるので、深読みしすぎてもどうにもならないこともありますが。

しかしながら、定期的な夜の巡視で物の位置が変わっていたり、環境が変わっているのならそれに気づけることに越したことはありません。

患者の状態によっては自殺企図をもっており、自殺のタイミングを考えているケースもあります。

また実際に行動化してしまった患者の場合は、患者の私物でさえも看護師が全てお預かりして、部屋にはベッドしか入れていないという場合も時にはあります。

小さな環境の変化を見逃してしまって、後に大きな問題に発展する可能性は十分にありえます。

夜間の定期的な巡視を行う中で、いつのまにか巡視中の観察が不十分になったり、些細な変化を見逃してしまう事は、新人看護師からベテラン看護師においてもありえます。

ちょっとした油断が命取りになることもありますので、患者の状態に加えて、環境の変化についても注意して確認を行っています。

⑤患者の尊厳を意識する事

精神科に限らない話なのですが、患者への尊厳を意識するという事は巡視の行為一つとっても意識しなければならないことだと私は思います。

過去には、布団で体全体を覆って、看護師に見つからないように危険な行為を行った患者もいました。

事後のカンファレンスで、そういった布団で体全体を覆ている患者には、いかなる理由があろうと布団をめくって確認するべきだという意見も出たことがありました。

しかしながらそれは却下になりました。

患者の安全のためにやむおえない行為も時には必要かもしれませんが、

・本当にその行為でしか安全確認が行えないのか

・その行為は患者の尊厳を傷つけるものではないか

という観点からその意見は却下になったのです。

精神科で働いていると、患者の安全を第一にという理由で、いつの間にか患者に制限を必要以上にかけたり、患者の尊厳を傷つける行為に繋がっているという事もあります。

患者の安全と患者の尊厳は天秤にかけ、どちらか一方を選ぶという視点ではなく、

両方を大切にする視点をいつまでも持つ必要があると私は思っています。

いつの間にか患者の考えや行動の背景を考えず、短絡的な予防をおこなったとしても患者は救われません。

一つ一つの背景を大切にしながら、巡視行為一つとっても、じっくりと考えていく必要があるのだと私は考えています。

まとめ

今回は夜間の巡視で大切なポイントについて記載していきました。

精神科で働き始めて、身体科の働き方と大きな違いがあることが分かってきました。

精神科では患者が自殺する可能性が身体科と比べて高いということ、また精神科だからこそ気を付けないといけない事は多くあります。

そして看護師の行為は患者にとって本当に良いものであるのか、患者の人権や尊厳を大切に出来ているのかという考えはいつまでも持って働きたいと私は思っています。

引き続き精神看護について学習し、看護師として自分の納得する仕事とキャリアを進んでいきたいと思っています。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済