精神看護の魅力と危うさ

精神医療の領域に踏み込んで既に半年以上が経過しています。

精神科を初めて経験する中で、身体科とは違った働き方や、業務内容、また看護の捉え方にも新しい発見があり、そして日々業務を覚えることに精一杯でした。

しかしながら、最近はそういった基本的な業務に加え、少しずつではありますが「精神看護とは」といった事を頭の片隅で考えられるようになりました。

そして精神医療、そして精神看護に関わる参考書を開く時間も少しずつですが、長くなっているように思います。

精神看護の参考書を開けば、妄想を訴える患者に対しては「否定も肯定もしない」や、つらいと訴える患者に対しては「傾聴的態度で接する」といった内容の文章が非常に多くあります。

もちろんそういった事は精神看護の基本的でかつ最重要な要素と私も捉えていますが、それだけでは済まないのが精神看護だと日々の実践で学びました。

そして、それこそが精神看護の魅力と危うさなのではないかと感じるようになりました。

精神医療の中で看護を実践していき、私が気づいたことは、

「看護師によって行われる援助や関わり方に大きな違いがある」

という事です。

理由については大きく2つ私は考えています。

一つ目は患者の精神状態、そうなるまでに至った状況や生活背景、そして経過が大きく違うという患者側の要因。

二つ目は看護師のこれまでの経験や、価値観、患者へ対する意識など様々な要因が重なっていく中で変わっていく看護師の要因。

まず一つ目の要因に関して、例えば統合失調症という診断が下っている患者がいた場合、陽性症状として妄想や幻覚症状や思考障害が出現し、陰性症状の場合は感情鈍麻、意欲の欠如、自閉など、まずもって陽性、陰性症状で既に違いが出て来る。

また経過によっては急性期、休息期、回復期、または慢性期などの違い。

そして患者の元々の人格、性格の違いなどからも物事の捉え方が大きく違う事。

この時点で大きく患者の状況が違う事が安易に理解できます。

そして二つ目の要因に関して、看護師がこれまでどのような経験を積んできたのか。

一般的な身体科の急性期で経験を積んできたのか、新人から精神科で経験を積んできたのかなどの経験の違い。

そして「精神看護とは」を教育する指導者、実践者が現場にいるのか。

また看護の経験だけでなく、これまでの歩んできた人生。

これらをもってして、精神看護の捉え方と実践は大きく変わってくるのではないかと思います。

実際の現場を見ていると、やはり看護の方法に大きな違いが生まれています。

・①「規則」「習慣」「しきたり」を優先して、ある程度患者の生活のリズムを整えようとする看護師。

・②本人の思いに沿って、なるべく本人が望むような形で生活リズムを整えようとする看護師。

上記の2点においても正解や不正解というものはありません。

実際に①を実践してみて、生活リズムがしっかりと整い、本人が希望するグループホームに退院することが出来た患者もいれば②を実践してみて、自宅に退院してからも精神的に安定して繰り返しの入退院の回数が減少した患者もいます。

つまり何が言いたいのかというと、

「事例性が重視される」ということです。

事例性が重視されるからこそ、完璧な正解という道筋はすぐに得られることが出来ず、もしくは永遠に正解がわからないのではないかと途方にくれる事例もあります。

途方にくれていた事例でも、ある看護師の一言や行動がきっかけで徐々に回復の兆しを見せる患者もいるもの事実としてあります。

その逆もあり、看護師の一言が、行動が患者の回復力を阻害する可能性も0ではありません。

そういった点が精神看護の魅力とそして危うさだと私は思うのです。

そして「危うさ」というものをなるべく最小限にとどめることも看護師の重要な役割だと私は思います。

精神科では、カンファレンスや、申し送りというものがとても重要視されています(もちろん身体科も同様とても重要視されているので共に優劣をつけるわけではありません)。

申し送りの中で、日々の行動の変化や、それぞれの看護師の価値観や看護の方向性を擦り合わせ、患者にとっての最善の「関り」を追求していきます。

とはいっても実際には患者が沢山入院している中で、そして急性期であるが故の細かい患者の変化があるのは事実で、さらに患者も看護師をしっかりと見ているので、

「この看護師になら話せる」

「この看護師にはあまり言いたくない。」

など看護師と患者の関係性から、患者の態度や発言内容に変化があるため、看護師によって個々の対応が異なったり、対応出来る範囲が異なる事も事実としてあります。

だからこそ、日頃から「患者の話しをよく聞き、言動をしっかりと見極め、アセスメントに繋げていく」ことが重要で、そこから生まれる信頼関係を大切にしていく必要があります。

そして日頃から申し送りや、カンファレンスで情報共有が出来るよう、それ以外の時間でも看護師同士がコミュニケーションを大切にし、看護師同士も信頼し合わなければ良い看護が出来ないのではないかと思います。

「精神看護の魅力を最大限に、危うさを最小限に」

そんな関わり方が、ケアが行えるようにこれからも精神看護について学んでいきたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済