精神科の看護師はどのように働いているのか

一般的な総合病院で働く看護師の皆様は、「精神科で働く看護師は、日頃何をしているんだろう」とふと疑問に思う事はありませんか?

HCUやICU、ERで働いていた時代の私は、そんな疑問を持っていました。

もともと学生の実習時代、良い精神科実習を行えた経験も含め、精神科というものに興味を持っていたからこそ、常日頃そんな疑問を思いつき、考えていたのかなと思います。

自分と違う環境で働く看護師ってどんな仕事しているんだろうなと考えた所で、調べられるとすればインターネットの検索などが思いつくと思いますが、実際調べてみても、実際体験してみなければ分からないことも多くあります。

医療機器メーカーで働くという経験をした後、現在は精神科の救急病棟で働きだして半年以上過ぎました。

インターネットで調べた精神科の働き方と、実際に精神科で働きだしてからの精神科の働き方は、やはり捉え方や考え方が大きく変わったなあと思います。

今回は精神科で働く看護師ってどのように働いているのかという事について、保健師助産師看護師法(保助看法)の記載している「療養上の世話」と「診療の補助」の2点に着眼点をおいて記載していきたいと思います。

療養上の世話

結論から言うと、精神科は身体科と同じように、食事、排泄、入浴などの保清全般、移動介助などの世話を行います。

ただ捉え方がやや身体科と違うと考えています。

身体科の場合は、疾患に伴う安静制限やセルフケア能力の低下などの理由から、患者の個々の状態に応じ介助を行うことが多いと思います。

一方、精神科の場合は統合失調症や、双極性障害、単極性障害(鬱病)などからくる気分の落ち込みや、あるいは妄想などの症状など精神的な症状からくる活動量の低下などの理由から患者個々の状態に応じて介助を行う必要があります。

具体的には、

・統合失調症に伴い、妄想が顕著に出現した結果、一切飲食が出来なくなってしまう患者

・鬱病に伴い、行動することが億劫になる意欲・行動障害の結果で食事が食べられなくなってしまう患者

など患者の精神疾患や病状に伴い、必要に応じて食事介助や見守りを行う必要があります。

同様に排泄や、保清に関しても、上記のような症状から自己でセルフケアを行えなくなるくらいの障害をきたしてしまう事も多々あります。

本当に精神状態が不良の場合は、「亜昏迷」といって外部刺激に一切の反応を示さなくなる状態に至る患者もいます。

そういった患者の場合は、全てのセルフケア能力が低値に達するため、食事(できないので点滴)、清拭などの保清、排泄介助、移動、などすべてを介助していく必要があります。

そういった精神的な症状から発生するセルフケアの低下に対し介入することが精神看護師の役割であると言えます。

診療の補助

結論から言うと、こちらも療養上の世話と同様、精神科は身体科と同じように医師の指示に基づいて、医師の処置のサポートであったり、薬剤投与、採血などを行います。

ただ身体科と比べると採血などはそれほど頻回ではありません(薬物血中濃度を定期的に測定しなければならない患者もいるので、そういった患者が多い時はもちろん採血の頻度は増えます)。

薬剤投与に関しては、不穏傾向で内服で鎮静化が困難である症例や、自傷他害の危険性が高い患者に対しては、医師の指示の元で薬剤を筋肉注射する事もありますが、これもそれほど日常茶飯事ではありません。

また医師の処置のサポートに関しては、自傷に伴う傷のナートであったり、抜糸等の介助はあったりしますが、身体科のようにドレーンを挿入したりする機会はありません。

また精神疾患による症状なのか、脳炎による症状によるものなのかを否定するため、腰椎穿刺を行うというシチュエーションもありますが、この場合も精神科ではなく、一般病院に送って検査を依頼するため、こういった介助も行いません(精神科がある総合病院であれば、その総合病院で腰椎穿刺は完結するかとおもいますが)。

逆に身体科と圧倒的に異なるところは「診察の付き添い」でしょうか。

精神科病院においては、患者自身が納得しなくとも、患者家族の同意があれば入院が出来る医療保護入院という入院形態で、嫌々入院している患者もいます。

そういった患者の場合、自分自身が病気であるという自覚が低かったり、あるいはなかったりする事が多く、不当な入院であると感じている事もあります。

そのため、診察のタイミングで医師へ暴力行為を働こうとしたり、あるいは精神状態が安定しない患者の場合も同様、妄想に伴う暴力行為であったり、そう状態に伴う感情の起伏が激しい事から暴力行為につながる可能性もあります。

そういった患者の場合は、事前に医師と打ち合わせを行い、看護師が1名ではなく、複数人の看護師が付き添って診察するというシーンもあります。

こういった点が身体科で働く診療の補助と圧倒的に異なる点であると思います。

まとめ

今回は精神科の看護師はどのように働いているのかを保助看法の視点から記載していきました。

実際、身体科とどのように働き方が異なるのかを記載しようとすれば、何万字でも記載できる気がしてきますが、まずは保助看法に沿って記載してみました。

身体科で働いている看護師で、精神科に興味がある看護師の方も一定数いるのではないでしょうか。

私自身も精神科での看護師の働き方や、キャリアについて模索している所です。

引き続き、精神科での体験を記事にしていきたいと思っていますので、今後もぜひご覧ください。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済