看護師が救急外来(ER)で働く事で得られる6つの能力

看護師という仕事は今や病院だけではなく、訪問看護や介護施設、企業など様々な所で必要とされています。

とはいえ、やはり多くの看護師は病院で働くケースが多いのが現状です。

しかし、病院と言っても看護師が働く科は多様性に溢れています。

小児科と言っても、一般的な小児科から新生児の集中的に管理・治療を行うNICUや小児心臓血管外科、

大人で言えば、循環器、脳神経内科・外科、呼吸器内科・外科、腎臓内科・外科、整形外科、泌尿器内科・外科・・・。

看護師という職業でも働く科によっては、得られる看護スキルも違えば、勉強するべき病態も大きく異なっています。

そんな様々な科がある中で、看護師が一つの科にとらわれず、働ける場所があります。

それは救急外来です。

救急外来というと、一般的に救急車で運ばれてくる患者の対応の他に、WALK IN(歩いて救急外来を受診する)の患者の対応などを行います。

つまり様々な症状や様々な疾患を抱えた患者の対応を行うことになり、一つの科にとらわれず、様々な可能性や予測を行いながら対応を行う現場なのです。

多くの病院では新人看護師からいきなり救急外来に配属されるケースは極めて低いのが現状だと思いますが、病院によっては新人看護師を一から鍛え上げ、救急外来のスペシャリストを育て上げる病院も一部あるようです。

とある看護師は過去に救急外来(ER)で働いた経験があります。

これまでにHCU,ICU,外資系医療機器メーカーと様々な所で仕事をしてきましたが、救急外来はとてもやりがいがあって充実した日々を過ごすことが出来ました。

救急外来という現場では、病棟とはまた違った視点で動く力を必要とされますので、病棟では得られない看護スキルや、知識や経験、もっといえば救急外来で働く看護師だからこそ得られる能力もあるのです。

今回はとある看護師が救急外来で勤務してきた中で、個人的に得られた7つの能力をとりあげ、そして看護師が救急外来で働くメリット、やりがいなど、

とある看護師の救急外来の経験を元に記載していきます。

目次

①異常に瞬時に気付く力が身につく

②瞬発力が爆発的に身につく

③ルート確保などの看護スキルが凄まじく向上する

④急変時に対応できる能力が身につく

⑤何事にも動じない度胸が身につく

⑥休む能力が身につく

①異常に瞬時に気づく力が身につく

救急外来では、救急車で運ばれてくる患者もいれば、歩いて救急外来を受診する患者もいます。

しかしながら、救急車で運ばれてきた人が必ず重症であるとは限りません。

何事もなく歩いて救急外来を受診した患者が、突然の急変を起こしたケースを何度も私は経験しています。

つまり、救急外来を受診した患者の中には軽症者の影に隠れる重症患者が潜んでいるのです。

ですから救急外来を受診した患者を順番通りに対応することが正解ではなく

「隠れた重傷者を見逃さない」

という事が救急外来で最も大切な事だと私は思っています。

もれなく、多くの看護師がこのように隠れた重傷者を見逃さないように、目を光らせながら勤務しています。

実際に救急外来の看護師は、医師の診察の介助や、検査出しに行く傍ら、

トリアージを行い、重症と判断される患者は診察の順番を早めるように調整したり、医師の指示の元モニターを装着し観察を行うようにアクションします。

そうやって救急外来で経験を積んでいくと、だんだんと患者の異常に瞬時に気付けるようになってきます。

ぱっと廊下で待っている患者を見た時に

「あれ?この人顔色悪い。」

「この人の冷や汗嫌な感じがする。」

「この人の痛がりがたはちょっと緊急性が高い気がする。」

と異常に瞬時に気づけるようになってきます。

もちろんそういった患者の第一印象を評価しつつ、バイタルサインやAMPLEを素早く聴取していく事が重症患者を見逃さないための最も基本的で、最も大切な事となります。

②瞬発力が爆発的に見につく

救急外来で働いていると、軽症患者から重症患者まで幅広い症状の患者の対応を行う事になります。

実際の現場ではリーダー看護師を中心として、メンバーである看護師は

WALK INで来た患者Aの検査出し、採血

→10分後に救急車で来る患者Bの対応

→患者Aの追加検査

→WALK INで来た患者Cの採血検査出し

→患者Bが入院の方針となったため、病棟へ移動できるように衣類の着替え、入院説明・・・。

など一つ一つの業務が細切れとなっている状態から、一瞬で対応をその患者ごとに切り替えていく必要があります。

もっと言えば、超重症患者の緊急対応後、比較的軽症な患者の対応を行うなど、行動だけでなく、気持ちも切り替えて行う能力が必要です。

救急外来を受診される患者は軽症者から重傷者までいますが、どの方も不安を抱えて受診しているので、落ち着いた態度で適切な声掛けや対応を行う必要があります。

また、重症患者はいきなりやってきます。

比較的、受診患者が少なく穏やかだった救急外来が一瞬でバタバタな空気となることも多々あります。

そういった時に瞬発的に切り替える能力が救急外来では欠かせません。

初めはうまく切り替えられない事もあるかもしれませんが、救急外来での経験を積んでいくと、こういったケースの時に瞬発的に動ける力が身についていきます。

③ルート確保のスキルが凄まじく向上する

既に記載しましたが、救急外来で大切な事は「隠れた重傷者を見逃さない」事だと私は思っています。

そしてこれを実行するためには

「テキパキと仕事をこなしていく能力」

が必要になります。

目の前の仕事をテキパキとこなすことが出来なければ、当然ですが仕事は溜まっていきます。

仕事が溜まっていけば、どんどんやるべき仕事が遅れ、そして焦ります。

人は焦ると簡単に大切な事に気づけなくなります。

そういった事態を防ぐためには、いかに仕事を早く出来るかです。

救急外来の看護師は、隠れた重傷者を見逃さないようにしつつも、

次々に繰り出される医師の指示の元、採血や、CT,MRIの検査出し、入院準備などを行います。

そして救急外来で必須の看護スキルと言えば、ズバリ「ルート確保」です。

ルート確保がどれだけ早く取れるかによって、仕事のスピードを上げる事に限らず、患者の生命にも大きく関わってくるケースがあります。

特にCPAなどのケースの場合は、寸分の狂いなく一発でルート確保が出来れば、スムーズなACLSサイクルに移行でき、救われるべき命も救われる事にも大きく繋がってきます。

そういった煩雑な状況の中で、緊急事態の中で、「大切な目の前の命を救わなければ、少しでも早く仕事をこなさなければ」という看護師の強い思いが、

ルート確保の技術を爆発的に向上させることにつながるのです。

④急変時に対応できる能力が身につく

救急外来において、何事もなく無事に帰宅出来る患者もいれば、残念ながら急変を起こしてしまう患者もいます。

はやり救急外来は一般病棟と比べ、CPAの対応であったり、突然の急変に立ち会うケースは多いと思います。

だからこそ、日頃からチームで勉強会を開いたり、急変時の対応について学習する機会が必然的に増えます。

勉強会や学習という座学的な学びとと共に、実際にそういったケースを経験していく中で学んでいきます。

実際に急変の対応と言っても、一人で行うわけではありません。

急変時、

・その場を統率するメンバーはだれか

・何人の医療従事者で急変対応に当たるのか

・そして誰がどの役割分担を果たすのか

・必要な医療器具は何か

・急変に至った原因は何か

・原因追及のため行うべき処置はどれか

・その後の対応、コンサルする科はどこか

など一瞬で考えなければならないことも多く、

周りを見る力も重要になってきます。

救急外来で働く事によって多くの急変症例を経験し、その経験を生かすことで少しでも多くの命を救う事を学び、

そしてあらゆる急変時の対応が身についていきます。

⑤何事にも動じない度胸が身につく

救急外来において大切な心構えはあらゆる事象に対し

「何事にも動じない度胸」

を身に付けることだと思います。

もちろん救急外来だけに限定されるわけではありませんが、医療現場では日々想像のつかない驚くべき事態に出くわす事もあります。

・突然の急変

・沢山の救急車で来る患者の対応

・廊下に並ぶ沢山のWALK INの患者

・緊急オペの準備、入院の準備

・子供の痙攣にパニックになる家族の対応

・待ち時間が長いとクレームを入れる患者の対応

・検査の途中でいなくなる患者

とにかく何事にも動じない度胸が大切です。

看護スキルの不足は、業務を滞らせ、業務が滞れば焦りが生まれ、焦りはミスが生まれます。

圧倒的な看護スキルと仕事のスピード、そして沢山の経験と学びを兼ね備えていくことが何事にも動じない度胸を身に付けることに繋がります。

⑥休む能力が身につく

これは救急外来看護師のひっそりと隠れたスキルなのですが

「休む能力が身につく」

(というか身に付けないとやっていけない)

すこし驚く事かもしれませんが、実は救急外来は24時間365日常に緊迫した空気で働くわけではありません。

大規模な病院の場合、一般外来が空いている午前中の時間帯であれば比較的救急外来は落ち着いているケースがあります。

また深夜0時から5時頃までの間も、日中の忙しさと比べれば落ち着いている時も少なからずあります(もちろん医療スタッフも日中よりは少ないので、忙しい時はとても忙しい)。

そういった少しでも落ち着いている時間に「休む」という行為はとても大切です。

人は常に100%の力を出し続ける事は出来ません。

ここぞという時に100%、120%の力を出すために、

落ち着いている時は少しでも椅子に座って休む、心をリラックスさせるこういった能力が救急外来看護師には欠かせません。

また仕事中に少しでも体力を温存させるための「休む」という行為だけでなく、日頃からの体調管理は欠かせません。

実際に救急外来が忙しい時は、全然休憩が取れない事もあります。

私は一度、日勤の8時半から17時まで休憩が取れなかった事も経験しています。本当につらかった(笑)

だからこそ、仕事の前日は夜更かしはせず、しっかりと睡眠時間を確保して体調万全の状態で臨まなければなりません。

初めは上手く勤務中に「休む」という事が出来ないかもしれませんが、救急外来での勤務を続けていくとだんだんと「上手く休む」という能力が身についていきます。

まとめ

「看護師が救急外来(ER)で働く事で得られる6つの能力」

を記載していきました。

看護師と言っても働き方は多様で、必ずしも救急外来を経験しなければならないという理由はありません。

看護師国家資格を取得後、いきなり医療機器メーカーに転職しても間違いではないと私は思います。

いきなり訪問看護の世界に飛び出しても間違いではありません。

大切な事は「自分はどんな看護師になりたいのか」という自分自身の思いです。

・なぜ看護師を目指したのか

・どんな看護師になりたいと思って看護学校に入学したのか、

・看護師という仕事を通じて自分はどんな人生にしていきたいのか

そういった自分の気持ちを素直に見つめて行動することが大切だと思います。

私の場合は、純粋に

「救急外来の看護師ってなんかかっこいいな」

「救急外来の看護師って面白そうだな。」

という思いで救急外来の看護師を志望しました。

実際に蓋を開けてみれば、そんな単純な話ではなく、とてもつらい思いもしましたし、それ以上に達成感や満足感も感じた事も多々ありました。

大変な事もありましたが、救急外来の看護師という仕事を経験して本当に良かったと思っていますし、今回記載した「看護師が救急外来(ER)で働く事で得られる6つの能力」も無事に獲得したと自分では思っています。

現在は医療機器メーカーを辞めて、再び臨床看護師になる方向で考えています。

私自身、救急外来で働いて得た6つの能力を活かせる職場を、科を検討していますが、

救急外来の看護師を経験したおかげで、今後の看護師としての仕事の幅は広がっていると感じています。

・看護師としてさらなる飛躍をしたい方

・新人看護師から救急外来に配属を希望している方

・中堅の看護師の方で、次のキャリア展開を悩んでいる方

同じ病院では異動希望が叶わなくても、病院次第では救急外来の配属は叶えられる可能性はあるかと思います。

大切なのはチャレンジする心です。

救急外来に興味がある方はぜひ勇気を持って踏み出してみてください。

今回の記事が皆様にとって役に立てば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済