看護師×企業 「クリニカルスペシャリスト」として働く事への過度な期待

とある看護師は、現在、企業でクリニカルスペシャリストという仕事をしています。

クリニカルスペシャリストという仕事は医療機器メーカーで働き、自社の医療機器製品の適正使用と普及拡大活動に努めるお仕事になります。

病院で働く看護師から企業に転職するにあたっては、クリニカルスペシャリストの他にもCRAやCRCなど製薬系の仕事もあります。

看護師国家資格を持ち、そしてある程度の臨床経験を積めばこういったキャリアの方向性もつけることが出来る看護師はとても素晴らしい仕事だと思います。

さて、今回は「看護師がクリニカルスペシャリストとして働く事への過度な期待」というタイトルをつけさせて頂きました。

単刀直入に言えば、

「看護師が企業で働くという事について、過度な期待を持ちすぎないほうが良い」

という思いで今回の記事を挙げさせてもらいました。

ではなぜ私がこのような思いに至ったのか、下記に記載していきます。

一般的な看護師の働き方と言えば、やはり「病院(医療現場)で働く」というイメージがあると思います。

実際に、大学または専門学校を卒業した看護師は多くのケースが医療現場である病院に就職し、仕事のキャリアを開始していきます。

つまり看護師という職業のメジャーな働き方と言えばやはり病院などの医療現場です。

当たりまえな話なのですが、看護師の職業、そして医療現場というものにも「文化」というものがあります。

年数を重ねるにつれ、その文化に馴染んでいくようになります。

そうしてある程度経験年数を重ねていくと人によっては、

「このまま病院で働いていて良いのか」「自分にはもっとやれるべき仕事があるのではないか」

といった感覚を持つ人が一定数います。

個人的な意見ですが、だいたい3年~5年くらいするとこういった事を考える時期が来るのではないかと思っています。

このような感覚をどう行動に生かしていくかと言えば、もちろんそれは人それぞれなわけです。

違和感を覚えたまま働く人もいれば、他の病院や、訪問看護や別の仕事にチャレンジしていく人もいるかと思います。

その中の一つに「企業への転職」というルートがあるわけで、さらにその中の細分化された中の一つがクリニカルスペシャリストという職業なのです。

クリニカルスペシャリストという仕事は、まだまだマイナーな仕事です。

大きな都会の病院の看護師ならある程度の認知度もあるかもしれませんが、地方の看護師だと

「機械の点検の仕事?営業の仕事?よく分からない。」

みたいな返事が多く返ってくることでしょう。

クリニカルスペシャリストというマイナーな仕事をどうやって発見するかと言えば、

・病院で医療機器製品を取り扱っている人が医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストだったとか

・よっぽど看護師を辞めたくて「看護師 病院以外の仕事」とググるなどの方法でこういった職種を発見するわけです。

そういった発見から「クリニカルスペシャリストに転職しよう!」と思うわけですが、詳しい仕事内容についてはインターネットで検索しても中々ヒットしないんですよね。

クリニカルスペシャリストの個人ブログがないかなど検索しても全然出てきません。

恐らく、クリニカルスペシャリストという仕事がまだまだマイナーな仕事だからです。

中規模以上の病院だと看護師はだいたい500人前後働いていたりしますが、クリニカルスペシャリストの場合は一つの会社でせいぜい20~30人、多くても50人前後しかいないのではないかと私は思っています。

またクリニカルスペシャリストの求人自体が少なく、内資系、外資系のクリニカルスペシャリストを合わせても日本全国で1000人もいないのではないかと個人的には思います。

そんなわけで多くの人が、しっかりとした情報収集が出来ず、ぼんやりとしたイメージしか持つことしか出来ません。

とある看護師はそんな感じで転職活動を開始しました。

病院で働く看護師から企業へ転職したいと思う理由は様々だと思いますが、

・病院以外の環境でチャレンジしてみたいという前向きな気持ちで転職活動をする人もいれば、

・看護師という仕事に身体的・精神的に限界を迎え、肉体労働とは無縁の企業に転職したい、といったある意味負のモチベーションで積極的に企業に転職活動を始める人もいます。

ここで注意しなければならないのは、転職のメリットとデメリットを良く考える必要があるという事です

当たり前ですが、どのような仕事においても良い面と悪い面があり、そこをしっかりと冷静に判断していく事が重要になります。

しかしながらこの転職活動の時期、無意識の内にクリニカルスペシャリストの転職に過度な期待をしがちです。

・Drとも対等なコミュニケーションがとれる

・体力仕事とは無縁の職場だ

・夜勤がないなんて最高だ

・収入が上がってウハウハだ

・憧れのスーツでコーヒー片手に出勤だ

上記の箇条書きは全部私が転職前に思っていた事です。

「臨床看護師を辞めて、企業に行けば何かが変わるはずだ。」

とある看護師の場合、この思いが一番強かったように思います。

もちろんデメリットとなりうる部分もしっかりとリサーチした上で転職を果たしました。

とはいえ、無意識の内にこういった期待を抱いていたのも事実です。

外資系医療機器メーカーという何とも聞こえの良い職場に転職したことにより、実際にグローバルな世界を見ることが出来てとても良い社会人経験が出来ていると思っています。

しかしながら大半は過度な期待であったと思うばかりです。

というよりかは、企業でのクリニカルスペシャリストの経験を重ねるにつれてデメリットも色濃く感じるようになってきたのかもしれません。

「臨床看護師を辞めて、企業に行けば何かが変わるはずだ。」

というのは単なる幻想で、

多くの事は自分自身が変わらなければならないのだという事に気が付きました。

Drと対等なコミュニケーションが取れるようになるためには、多くの事を勉強しなければならないし、信頼関係を気づくためには長い時間を必要とします。

体力仕事とは無縁の職場だと思っていましたが、クリニカルスペシャリストも体力は必要です。急遽顧客先の病院から情報提供の依頼を受けたり、緊急で立ち合いを行う必要も0ではありません。

夜勤がないなんて最高だと思っていましたが、先生とのアポイントが夜遅かったり、緊急で仕上げなければならない資料作りも発生するため夜遅くまでパソコンと向き合う時間も必要です。

収入が上がってウハウハだと思っていましたが、実際働く時間は個人の采配なので長く働こうと思えば働けますし、看護師が命に関わるように医療機器メーカーも正しい情報を伝えなければならないという大きなプレッシャーが生じます。

憧れのスーツでコーヒー片手に出勤だと思っていましたが、夏場はスーツが汗でダクダクです。コーヒーで片手を使うのは勿体ないと思うくらいです。

こういった思いがあり、やはり自分はクリニカルスペシャリストへの過度な期待があったのだと自覚するようになりました。

そして皆さんにも、看護師がクリニカルスペシャリスト、いわゆる企業で働く看護師になるにあたって過度な期待をしすぎてほしくないと思いました。

臨床看護師の時代、思い出しても良い面と悪い面もありました。

臨床時代、気分にムラがあって感情的になって怒る先輩看護師もいましたが、感情的な人はどこにでもいます。

嫌味な事を言う先輩看護師もいましたが、そんな人はどこの職場でもいます。

外資系医療機器メーカーと言えば華やかに聞こえますが、泥臭いと思う仕事も山ほどあります。

結局の所、環境を大きく変えたとしても、自分自身が変化しなければ大きな意味はないのだと思います。

「心から変わりたい、自分はこんな人になっていきたい。」

そういった明確なビジョンと目指すべき方向を向いていなければ、いつかは倒れてしまいます。

どんな仕事でも楽しい事も辛いこともあって、それを自分でどう感じるか、それをどう生かしていくのか

そんな単純な事をもっともっと大切にしていきたいと私は思うようになりました。

臨床看護師時代、とある看護師は周りの文句ばかりでした。

文句ばかりで自分がもっと行動しなかったことが今でも悔やまれます。

自分がどうあるべきか、

自分が本当にしたいことは何か、

仕事で追求していきたいことは何か

こういった自分の心の声を私は大切にしていきたいし、

病院で働く臨床看護師、

企業に挑戦する看護師、

新しい事に挑戦する看護師、

そういった多くの看護師に「自分の心」を大切にしていってほしいと思います。

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・自分はどんなキャリアを歩みたいか明確にする事

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済