IABPを学習する②


IABPを学習する①に続いて

今回はIABPを学習する②

を記事にしていきます。

IABPを学習する①については

下記の記事参を照してください↓

ではさっそくIABPの続きを書いていきます。

目次

  • IABPの管理のポイント
  • IABP離脱のアセスメント

IABPの管理のポイント


IABPの管理のポイントは

大きく分けて3つあります。

①IABPの効果を確認すること

②IABPの合併症・トラブルの有無を確認すること

③IABPの適応となった病態の除去がされているか

それぞれ詳しく書いていきます。

 

 

①IABPの効果を確認すること

IABPの効果を確認するにあたり「IABPを学習する①」

に駆動のタイミングについて記載しましたが、

それに加えて、IABPの効果を確認するためには

1、心臓内圧の評価

2、虚血評価

3、臓器障害の評価

この3つを行う必要があります。

 

1、心臓内圧

IABPの効果は

・後負荷の減少・拡張期圧の上昇です。

そのためIABPの効果が発揮された場合は

後負荷の減少→一回拍出量(stroke  volume:SV)は増大し、

心拍数(HR)は低下します。

そして結果的に、

肺動脈楔入圧(pulmonary artery wadge pressure:PAWP)は低下し、

末梢臓器の還流も改善しているはずです。

これらの評価をするためには

・心拍数(HR)

・一回拍出量(SV)

・肺動脈楔入圧(PAWP)

をモニタリングしてきます。

  

 

2、虚血評価

 12誘導心電図でのST変化の有無

を確認します。

著名なST低下があった患者さんの場合であれば、

IABP挿入後のSTの改善があるか、

経時的な評価は必須となります。

虚血の残存は血行動態を不安定にさせ、

不整脈を誘発させるため、

ベッドサイドモニターの変化にも注意が必要です。

 

 

3、臓器障害の評価

臓器障害の評価としては血液データ、血液ガスデータの評価

が必要になります。

乳酸値、ビリルビン値、肝機能、腎機能などの評価を

経時的に行っていきます。

乳酸値においては鋭敏な指標でありますが、

その他のデータは一度上昇すると

ピークアウトまでに時間を要しますので、

そのことを理解しておく必要があります。

また血液データのほかに

尿量も鋭敏な指標です。

尿量が明らかに減少傾向である場合は、

血液ガスデータの乳酸値等も取ってトータル的に

評価していく必要があります。

※慢性腎臓病(CKD)等があり、一度腎障害が起こった場合、

循環状態が安定しても尿量の再確保までにタイムラグがある場合があります。

②IABPの合併症・トラブルの有無を確認すること

②IABPの合併症・トラブルの有無を確認すること

以下にIABPの合併症・トラブルをまとめます。

1、下肢・腹部臓器の虚血

→下肢虚血は下肢痛、冷感、色調変化が出現します。手で触れても足背動脈、後脛骨動脈で脈が触れない場合はドップラーで血流音を確認します。

腹部臓器の虚血は、バルーンの位置が本来留置するべき場所より低かったり、

バルーンサイズが大きかったりすると

腹部大動脈にかかってしまい虚血を起こすリスクが発生します。

人工呼吸器管理で鎮静中の場合、

患者は症状を訴えられないため注意が必要です。

 

 

2、塞栓症

→カテーテル操作によって血液に付着していたプラークやアテロームが各臓器に移動すれば塞栓症となります。

頻度が多いものは脳、腎臓、消化管、皮膚、下肢です。

脳であれば脳梗塞、昏睡、記憶障害の出現、

腎臓はクレアチニン値上昇、蛋白尿の出現、

消化管は腸管虚血、

皮膚は網状皮斑、壊疽、チアノーゼの出現

 

 

3、動脈損傷

→シース挿入時に生じる大動脈周辺のトラブル、

ガイドワイヤーやバルーンカテーテルを進めていく際に生じる

大動脈解離があります。

 

 

4、出血

→IABP管理中は抗凝固療法が原則必要であり、

出血のリスクが高くなります。

 

 

6、血小板減少

 

 

7、神経障害

→腓骨神経麻痺が有名です。IABP留置中、

大腿からカテーテルが挿入されているため、

患者さんは下肢を外旋保持となりやすい状態になります。

外旋保持に伴う腓骨神経麻痺には

注意が必要です。

 

 

8、感染

→カテーテルは異物ですので、この異物が血管内に留置されている

というのは感染発症のリスクが高くなるのは当然です。

感染リスクが高いことを考慮した上での

看護ケアを必要とします。

 

 

9、バルーン破裂

→バルーンの劣化、動脈壁の石灰化などで

バルーンが破裂することがあります。

IABPカテーテルと駆動装置を結ぶ透明なチューブに

血液を認めたら、バルーン破裂とみなします。

即駆動中止とし、医師に抜去してもらいます。

③IABPの適応となった病態の除去がされているか

IABPは治療の繋ぎ目に使用されるもので、

病態の根本解決にはなっていません。

ST上昇心筋梗塞でIABPを駆動した患者であれば、

PCIで病態の除去を行います。

常に根本的な解決が出来ているのかを

考えておく必要があります。

IABP離脱のアセスメント

IABP離脱は最終的に医師の判断となりますが、

看護師も、IABP離脱の評価をしなければならない

と私は思っています。

 

実はIABPはPCPSを離脱するよりも注意が必要です。

PCPS使用患者となると、

根本的にはIABPのみを留置している患者と比べて、

重症度が高いと考えられます。

ただし離脱においては、IABPの方が難しいのです。

なぜでしょう。

それでは、循環のメカニズムを考えます。

IABPの原理は

1、後負荷の減少・拡張期圧の上昇

2、冠動脈(ここポイント)、脳、腎血流の増加

理論的にIABPは血行動態に悪影響を与えることはありません。

 

PCPSの場合は逆行性血流ですから、

PCPSは後負荷の増大をきたします。

仮に自己心が回復してこれば、

PCPSの補助流量は邪魔になりますから、

PCPSの補助流量を下げていきます。

そして補助流量を下げた上で自己心の回復が十分であれば

PCPSの離脱は「後負荷を増大させているものを外す」

ということであり、離脱はIABPと比べて成功しやすいと考えられます。

 

話しが戻りますが、

一方IABPの場合は

①後負荷の軽減・拡張期圧の上昇

②冠動脈(ここポイント)脳、腎血流の増加です。

つまりIABP離脱は、

「IABP離脱は後負荷を軽減させているものを外す」

「冠動脈血流を増加させているものを外す」

ということになります。

ややこしい表現になって申し訳ありませんが、

理解できましたか?

IABPを離脱させるということは、

後負荷の増大と冠血流低下につながるという事です。

 

 

後負荷が増大すれば、

後負荷に打ち勝つために心拍出量(CO)を

維持しようとします。

もし維持できない場合は、

その急性代償として

・心拍数を増大させ心拍出量を稼ぐか

・前負荷を増大させ心拍出量を稼ぐか

といった具合に心臓が頑張るため、

継続的にモニタリングを行います。

心拍数(HR)や

大動脈楔入圧(PAWP)、

一回拍出量(SV)

これらが変化しないか評価すると共に

乳酸値、尿量等も確認し、

臓器障害の異常はないかも

評価していく必要があります。

 

またPCI後、一部優位狭窄の残枝が残っている場合で

IABPを抜去する場合はさらに注意が必要です。

IABPサポート下において血行動態が安定していても、

IABP離脱後、狭窄部位の冠血流低下を起こす

可能性があるからです。

これらのリスクを判断した上でIABP離脱に

踏み切っていきます。

まとめ

今回はIABPを学習する②

IABPという補助循環装置を付けることにより患者の血行動態安定につながりますが、管理やアセスメントがとても重要になります。

集中治療室勤務の看護師は沢山勉強しなければなりませんが、これも立派な自分の財産となります。

これからも頑張って勉強していきたいと思います。

※改めて私自身もIABPについて再学習しました。

もし気になった点や、誤りがあればメール等いただければ幸いです。

よろしくお願いします。

以上IABPを学習する②でした。

転職オススメサイト一覧

マイナビ看護師



看護のお仕事

ナースではたらこ



MCナースネット



ジョブデポ看護師

ナースパワー人材センター



「転職の極意」

・自分はどんなキャリアを歩みたいか明確にする事

・自分に合った職場と働き方を見つける事

・転職サイトの登録で必要な情報収集する事

・必ずしも転職エージェントを利用する必要はない事、必要に応じて転職エージェントのサポートを受ける事

ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済