IABPを学習する①

ICU,HCU,CCU等にお勤めの方はご存じだと思いますが、今回はIABPを取り上げていきたいと思います。

「機械系はあまり得意分野ではない。」

「IABP管理は難しい。」

「観察ポイントが沢山ある。」

「安静制限があるからケアをするのが大変。」

「安静制限により高齢者だとせん妄リスクも上がって心配。」

色々な意見があると思います。

臨床時代私も補助循環があるから循環状態的には安心な反面、

管理が大変だと思っていましたし、

患者さんが不穏になって抜去されるのではないか、

患者さんが安静に保てるのか、

患者さんの廃用予防、合併症・・・

など様々なリスクが頭をよぎり、

緊張感を持って勤務していたのを覚えています。

私自身、臨床経験5年でICU、ERを経験しましたが、

特に最後の数年間はER勤務だったので、

IABPの管理や看護が曖昧になっています。

補助循環は集中治療領域においてはさらに発展していく

分野だと私は思っています。

今回は自分自身の復習を兼ねて記事にさせて頂きます。

目次

  • IABPの原理
  • IABPの適応
  • IABPの禁忌

IABPの原理


IABP

(intra‐aortic‐ballon‐pumping)

とは補助循環装置であり、

IABPの補助流量の効果は0.8Ⅼ/min程度と言われています。

そのためPCPSほどの補助は求めることが出来ません。

 このIABPは1962年にMoulopoulosら(ムロプロス)らによって考案されました。

 

原理としては大きく分けて二つあります。

①Diastolic augmentation

ダイアストリック・オーグメンテーション

(以下オーグメンテーションと略)

②Systolic unloading

シストリック・アンローディング

(以下アンローディングと略)

です。

 

 

①オーグメンテーションとは

自己心の拡張期にIABPのバルーンが拡張することで

・脳血流の維持

・腎血流の維持

・冠動脈血流の維持

(↑冠動脈血流の3分の2は拡張期に流れるため、このバルーン拡張によりさらに冠動脈血流は増加する)。

の効果が期待できます。

 

 

②アンローディングとは

自己心の収縮期にバルーンを収縮させることで

・後負荷の軽減

・後負荷の軽減に伴い、自己収縮期血圧の軽度低下

の効果があります。

この二つの原理によって

心筋の酸素共有と需要量のバランスを改善させます。

 

この二つの効果をしっかりとIABPで発揮するためには

IABPの駆動タイミングを適正にしなければなりません。

IABPの駆動は

・心電図or動脈圧

を利用します。

そのどちらかを心拍と同期させることで

適切なタイミングでバルーンの

収縮と拡張を行えるようにします。

一昔前のIABPは

心電図か、動脈圧

どちらかをトリガーとして選択しなければならなかったのですが、

現在は「フルオート」

というモードが出てきており、

万が一心電図が外れてしまって、

心電図をトリガーに出来なくても

機会が自動的に動脈圧に

トリガーを切り替えるシステムがあります。

とても便利なモードがありますね。

原則はフルオートの設定を第一選択とすると良いです。

またIABPの駆動において

バルーン拡張と収縮が正しく出来ているかは

波形を見てしっかりと評価が必要です。

IABPの適応

IABPを使っている患者さんを見ると、

どうしても

「IABPを使っているから一安心」

といった感覚に陥りやすいですが

合併症のリスクも高く、適切なケアと観察を必要とします。

そしてなによりIABPは治療のつなぎ目に使用されることが多く、

根本的な解決には繋がっていないことを

肝に銘じておく必要があります。

その上でIABPの適応は以下の通りです。

 

 

・AMI(急性心筋梗塞)で機械的合併症(自由壁破裂・心室中隔穿孔・乳頭筋断裂)を有する患者

→急激な血圧低下、胸痛、心雑音、肺うっ血、頸動脈怒張などの症状が出現、おそらく外科的手術が次の一手となる。IABPは手術までのつなぎであり、循環が維持できなければPCPSも考慮する。

 

 

・強心薬を含む薬物療法に抵抗性の心原性ショックの患者

→PCIなどで治療した上で、強心薬含む薬物療法を行っても血行動態の改善が見られない場合IABPの適応となる。右心系優位のポンプ不全にIABPは無効(IABPは左心系の補助のみ)のためPCPSを必要とする場合がある。

 

 

・強心薬が使用できない状況にある心原性ショックの患者

→心原性ショックに対しては強心薬が適応となるが、致死性不整脈が頻発してしまう状況が考えられる。

またまれに、ドブタミンアレルギーで使用できないという状況もある。

 

 

・冠拡張でも十分に冠血流が得られない心原性ショックの患者

→PCI不成功に終わった場合、血行動態が不安定な場合はIABPを含む補助循環を緊急手術の繋ぎとして使用されることがある。

 

 

・ハイリスクPCIにおける血行動態安定のための予防的使用

 

 以上がIABPの適応になります。

IABPの適応については、

看護師もしっかりと覚えていたほうが良い、

と私は考えています。

適応を覚えていなければ、

そもそもなぜこの患者さんに使っているか

という根本理解が分かっていない状態になります。

それでは本末転倒で

患者ケアに全く生かせません。

必要な事項を覚えて、患者のケアを行う

それが集中治療領域の看護師です。

IABPの禁忌


以下の通り

・重度大動脈弁閉鎖不全症

→重度の大動脈弁閉鎖不全症があれば、冠血流は増加しない。むしろ、弁不全を悪化させる。

 

・胸部、腹部大動脈瘤、大動脈解離

→瘤の破裂リスク、解離部位の進展リスクが高まる。

 

 

・下肢閉塞性動脈硬化症

→挿入困難の可能性がある。下肢虚血のリスクが高くなる。

 

・出血傾向

 

・敗血症

一旦まとめ

今回はIABPの原理、適応、禁忌についてまとめました。

次はIABPを学習する②をまとめていきたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済