全てはAから始まる

救急外来において、患者をABCDEで評価することは必須です。

A・・・気道

B・・・呼吸

C・・・循環

D・・・意識

E・・・体温

最近ではF・・・家族も評価対象とされています。

「患者をABCDEで評価しよう」

救急外来ではこの基本的なことがとても大切にされています。

ABCDEどれも大切な観察項目です。一つも抜けてはいけません。

特にA、最初に観察しなければならない項目です。

気道開通はいかなる場合も確認しなければなりません。

救急搬送された患者に対して

医師「聞こえますか?名前言えますか?」

良くドラマで見る光景ですが、これは発声ができるかを確認しているのです。

すなわちA(気道)開通の確認です。

どの医療者も常々、患者対応の時にはこれらのワードABCDEを頭に想定しながら動いていきます。

しかし時として、予想外な事態に発展するとこれらの基本的な観察項目が抜け落ちることもあります。

一番大切なA、すなわち気道が抜け落ちたり、気道の優先順位が下がってしまった結果、とんでもない事態を起こすことがあります。

今回はA(気道)の重要性について再認識していきたいと思います。

目次

  • いかなる時も気道が優先
  • 挿管をためらわない
  • 挿管できなかった時を考える

いかなる時も気道が優先

口腔内の血液(鼻出血、吐血、喀血など)や吐物の存在は窒息のリスクがあります。

状況によっては、安静目的のために臥位を保持する必要のある患者もいますが、

臥位の保持により、上記の症状のある患者は窒息リスクがとても高くなります。そのため

本当に臥位にして良いのかを、患者の状態を観察し、しっかりと評価することが大切です。

気道閉塞は、心肺停止に陥る可能性があり、予防が重要となります。

鼻出血、吐血、喀血、嘔吐などは窒息の危険を高めるものです。

また意識レベル低下に伴う、舌根沈下なども気道閉塞につながるため

気道確保の準備を怠ってはなりません。

また、頚椎損傷を疑う外傷では頚椎損傷予防のため、頚髄固定を行いますが、気道閉塞を起こしては意味がありません。

頚髄損傷を疑っても気道閉塞の危険があると判断した場合は、

気道確保を優先する必要があります

↑(気道確保は下顎挙上法)

特に外傷となると

血圧は?心拍数は?FASTは?よし!画像いこう!

ひどい外傷だと医療者も必死になり、すぐにどこが出血しているのか、全身状態を画像で評価したいとなりがちですが

ここでも常々A(気道)の閉塞がないかを振り返る必要があります。

検査の移動前、移動中も常に患者の気道は注意して観察する必要があります

必ず主で患者を対応している看護師は、気道閉塞がないか確認しましょう。

また脳卒中に伴う頭蓋内亢進、薬物中毒や飲酒後の昏睡状態の患者が臥位の状態で嘔吐すると、瞬時に気道閉塞となります。

患者の体位なども配慮しつつ、気道確保を行い気道閉塞を予防します。

挿管をためらわない

気道確保において、体位の調整や、ネーザルエアウェイ、オーラルエアウェイなどで気道確保も行いますが、状態に応じて気道確保のために挿管を行う必要もあります。

しかし実際に挿管となると、

今の状態で挿管が必要なのか・・・

挿管せず粘れそうか・・・?

挿管に伴うデメリットもある・・・

など様々な思考が頭をめぐり、挿管を躊躇してしまう状態になる時があります。

最終決定は医師にあります。

どんな修羅場をくぐってきた医師でも、一瞬のためらいを生じる姿を目にします。

しかし予防可能なはずの気道閉塞は必ず対処する必要があります。

例外なく気道が一番の優先です。

「先生、挿管準備しますか?」「挿管できるように準備してあります」

という看護師の一声は先生の後押しになるようです。

実際に小児救急のスペシャリストDrに話を聞いたことがあります。

小児医師「我々は重症痙攣の小児をみると、薬剤でもう少し粘れそう・・挿管はせずにすみそうか・・・?と足踏みをしてしまう事が時としてある。そんなときに看護師さんから、先生挿管準備してありますとか、挿管しますか?と言われると、挿管行為に踏み切りやすくなる。看護師さんの一声に助けられる時がある。」

そんなことをおっしゃっていました。

もちろん最終決定は医師にあるので、医師の決定が絶対です。

しかし、その看護師の一声で挿管につながることもあります。

挿管できなかった時を考える

いざ挿管!と踏み切ったのにも関わらずなかなか挿管できない・・・

そんな経験はありませんか?

医師も挿管に集中しているため、挿管できなかった時に焦りがちです。

しかし看護師はその焦りに巻き込まれてはいけません。

看護師「先生、まだですか!?」

焦りからそんな言葉がでてしまえばもう最後です。

医師「分かってるよ!うるさいな!!」なんてことになったりして

もうだれも仕切り直してくれる人がいなくなります。

そうなれば一体全体なにをしているのか分からないような状況になります。

まず救急外来で挿管することにおいて

手術室で行う挿管よりもはるかに難易度が高いことを認識しておかなければなりません。

そんな難しい挿管行為を医師がするわけですから、看護師のサポートがどれほど大切かということが分かります。

・必要物品は必ず準備しておくこと

・挿管前の換気時のバイタル、医師が挿管に挑戦しているときのバイタル(spo2)

→医師は挿管に必死です。換気に切り替えますか?などの声かけも必要

・落ち着いた声で(重要)

・医師の指示に応じて輪状軟骨を軽く圧迫させる

難しい挿管に挑戦する医師をバッチリサポートします。

それでもうまく挿管できない時もあります。

そのため挿管を決断したときは、挿管できない時のプランも準備してお必要があります。

・声門上気道デバイスのラリンゲアルマスク

・ビデオ喉頭鏡の準備

・輪状甲状靭帯穿刺の準備

・麻酔科医師への連絡にて応援を要請する

必ずしも挿管がスムーズにいくわけではありません。

物事を成功させるにあたり、プランが一つだけだと心許ないですよね。

それが特に医療において、患者の生死を分けるような、場合は特にそうですし、そんなプランで挿管行為に踏み切ってはいけないと思います。

いくつかのプランを準備して、最善の状態で挿管に挑めるようにしておくことはとても重要な事です。

まとめ

気道確保の重要性についてお話ししました。

救急外来は何よりも基本に忠実に行うことが大切です。

いかなる状況であれ

「基本に充実に」

が重要です。

学んだことを、つねに当たり前におこなえるようにすること。

なによりもA(気道)の確保が大切です。

救急外来だけでなく、場所問わず、人は同じ環境にいると慣れが生じます。

その慣れが仕事をスムーズにさせるときもありますが、

慣れが失敗を生むこともあります。

人は常に原点を見つめなおさなければなりません。

過信が、驕りが、自己への過大評価が大きな過ちとなります。

その過ちは自分が被るのは良しとして、患者に与えてはなりません。

我々は常に患者の命に関わっているということを忘れてはいけません。

自分の行為一つ一つが、患者に関わってるということを意識しておく必要があります。

全てはAから始まる

そんな当たり前のことを当たり前に行っていきたいと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済