看護師の誰もが悩む、「キャリア」について


「キャリア」という言葉、これはどのような仕事をされている方でもよく耳にする言葉です。

看護師という仕事も同様に「キャリア」という言葉を聞くと思います。

キャリアというと、仕事のステップアップをイメージされる方も多いと思います。

しかし、キャリアという言葉は、お仕事だけでなく、家族のキャリアであったり、移住のキャリアがあったり様々な所でキャリアという言葉が使われています。

今回お仕事に関するキャリアを中心にお話ししていきたいと思います。

お仕事のキャリアと言いますと、キャリアアップしたことによる成功体験などのポジティブなイメージもわきやすいと思います。

時にはキャリアの危機が生涯の中にあったり、家族のキャリアがお仕事のキャリアに大きく影響を与えるなどお仕事の中でキャリアについては様々な要因が絡んでいます。

キャリアを進めていく中で喜びを見出したりすることはもちろん、時には悩み、苦しみながら
進んでいかなければなりません。

今回はキャリアってなんだろうという所から始まり、看護師の新人がキャリアの危機に陥りやすい場面や原因、女性ならではのキャリアの悩み、悩み始めるタイミングなどの場面を振り返っていく中で、私自身もキャリアについて考えていきたいと考えています。

目次

①キャリアという概念

②キャリアの成功とは

③就職直後のキャリアの危機

④スペシャル志向と思い込み

⑤30歳という節目

⑥仕事のブランク

⑦出産とキャリア

①キャリアという概念

キャリア(Career)の語源は16世紀に遡り、道あるいは競走路を表すものです。もともとはラテン語の言葉がイタリア語へ、そしてフランス語へと伝わり、そして英語に変化したものと言われています。

心理学者エドガー・H・シャインは「外面的、内面的に個人の概念を構成している階級」と定義していたり、組織コーン(組織の三次元モデル)を使用しキャリアについて説明しています。

キャリアには、「仕事キャリア」「家族キャリア」「居住キャリア」など様々な意味でキャリアという言葉は使われています。

これらのキャリアは一つ一つ独立しているようにもみえますが、実はこれらのキャリアは複雑に絡み合っており、移住キャリアが仕事キャリアに影響していたり、仕事キャリアが家族キャリアに影響しています。

もう少し仕事キャリアについて詳しくお話しさせていただきます。

仕事キャリア(以後キャリア)とは何かを説明するとすれば、自分が経験して、歩んできた仕事と人生、そして仕事に対する自己イメージであるといえます。

自分が経験して、歩んできた人生について 

例えば

・救命救急センターで5年間勤務した人

・1年間急性期病院で働いた後、老人ホーム4年間勤務した人

・消化器内科で3年、脳神経内科で2年働いた人

・新人から訪問看護ステーションで5年間働いた人

・4年間リハビリテーション専門病院で働き、フリーランスとして働き始めた人

上記の内容は5年間働いた看護師について例えとして書きました。

働く場所、働き方は違いますが、これらはその人その人が経験して歩んできた仕事と人生になります。

仕事に対する自己イメージについて

これは職業アイデンティティのことで、要するに「自分は何者であるか」ということです。

自分の今後のキャリアが見えない、想像できないなどのキャリアの揺らぎはこの意味になると思います。

②キャリアの成功とは

キャリアの成功とは、

「自分が過去の経歴を振り返り、自分を見つめなおした時、やりたい仕事ができていたか、仕事をしていた時間を幸福なものとして受け入れることができるかどうか」

という事です。

A看護師:年収が1000万の看護師

B看護師:専門看護師として働き、かつ看護師長としても働く看護師

一見とてもすごいキャリアを築き上げ、キャリアの成功として捉えることができるかもしれません。

しかしこれだキャリアの成功かどうかは判断できません。

もしかしたら看護師Aは年収が高くても、本当に自分が目指す看護をしていないかもしれません。

看護師Bは専門看護師としてもっと自分の専門性を突き詰めたいにも関わらず、師長としても働かないといけないため、思い描くような仕事ができていないかもしれません。

つまり、先ほど書いたように、

やりたい仕事ができているか、仕事をしていた時間を幸福なものとして受け入れることができるか

が大切なのです。

他人がどう見るかは関係ありません。

ただ漠然と仕事をしていてはキャリアの成功は築けません。

自己で自分の納得のいくキャリアを築くためにはそれなりの行動が必要です。

③就職直後のキャリアの危機

就職して最初に訪れるのはキャリアの危機です。「リアリティ・ショック」です。

新人看護師はリアルタイムにこの状況になっている人が多いと思います。

初めは頭で想像していた仕事と、職場と、現実の間に大きなギャップを受け、それを埋めることができません。

自分の想像していたキャリアと異なり、大きな壁にぶつかることになります。

看護師なのに雑務が多い、時間外勤務が多い、激務である、患者さんと関わる時間が少ない等。

これらのリアリティ・ショックは、大きいか、小さいかの違いはありますが、必然的に起こることだと言われています。

それに関して大切なことは、本人が職場の先輩や、上司に対する自己開示です。

自分がどんなところでつまずいているのか、悩んでいるのか、新しいことに出会い、大きな壁にぶつかった場合、特に新人看護師は一人ではとても自己の中でそれらを解決することは困難です。

上司、いわゆる先輩看護師は同じ環境に適応してきた経験があるので、大きなヒントを与えてくれます。

ただし、上司が自分の新人時代のつらさを忘れていたり、新人看護師に共感的対応ができなければ、新人看護師はバーンアウトし退職していく過程を歩む可能性が高いでしょう。

新人のキャリアの危機は自分自身と、それらを囲む人間、つまり上司が支え合って乗り越えていく必要があります。

もちろん、つらくて、体に異変を起こしてしまうような場合には早急に休職したり、辞めたりすることも決していけないことではないと私は考えます。

④スペシャル志向と思い込み

看護師として勤務を続けていく中で、専門性を突き詰めていきたいと考える人は多くいると思います。

看護師は勉強熱心な方が多い傾向にあり、特に中堅看護師は、新人から数年経過し、色々(本当に色々な意味で)周りが見えてきて、冷静にこれからの自分を考えることができる時期に入ってきます。

新たな自分を探すために、全く違う分野に飛び込む人もいれば、今まで学習してきた分野をさらに掘り下げていきたいと思うようになると思います。

今まで学習してきた分野をさらに掘り下げたい人であれば認定看護師を目指したり、専門看護師、または診療看護師になるために大学院に行きたい、と思うようになる人もいるかと思います。

さて、ここで大切な事は視野が広く捉えられるようになるか、狭くなってしまうかという事です。

看護師の仕事は細分化しており、先ほども記載しましたが、

認定看護師、専門看護師、診療看護師などより専門性を高めた資格が多くあります。

多くの人はその資格を生かし、看護師のレベルを底上げし、よりより看護に持っていけるように努力していると思います。

しかし、自分の専門という小さな世界を作ってしまって、無意識のうちに視野を狭めてしまう可能性も考えられます。

意外に自分の専門分野だけでなく、他をのぞいてみると、新たな発見があったり、新しい仕事へのチャレンジに繋がります。

今の現状に満足するだけでなく、他の分野も視野に入れみるというのも、キャリアデザインにつながります。

⑤30歳という節目


30歳前後はキャリアの節目といわれる時期です。

新卒で入った人は丁度7年~8年ほど同じ病院で勤務し、リーダー業務をしたり、後輩指導に当たったり、部署ではそれなりのポジションになっている方が多いと思います。

また何度か転職され、新卒で入った病院以外で働らかれている方も、周りが結婚・出産など自分の周りの変化が多くなってくる時期ではないでしょうか。

もしこのまま今の働いている会社で勤務するとき、5年先、10年先のどのようなキャリアイメージになるのかは、先輩や上司の方から想像できる(男性看護師の場合はまだ、ロールモデルとなる先輩看護師がすくないため、イメージしずらいかもしれません)。

そのような姿を自分の将来のイメージとして受け入れられるのかが大切なポイントになります。

尊敬できる先輩看護師、ロールモデルとなるようなプロの看護師が近くにいるかどうか、そしてその先輩の姿、役割、年収はどうだろうか。

今の病院の将来性に不安があるのであれば、このタイミングで転職を考えるのもありだと思います。

また病院の社会性、健全に(残業時間、休み、有給取得、働きやすさ)疑問があるのであれば、これも転職のタイミングであったり、新たな挑戦をする時期になるかもしれません。

転職だけでなく、お金に余裕のある方であれば、大学・大学院に入って勉強をしてみることで新たな視野の獲得を目指し、キャリアをデザインしていく事も選択肢の一つです。

お金に余裕がなくても、働きながらいける大学院も多いですし、看護系の大学院以外で勉強してみるのもありです。

⑥仕事のブランク

結婚・出産または病気などやむを得ない状況によって休職をしなければならない時はあります。そしてその後、ずるずると仕事復帰できず、ブランクによって働きづらくなる看護師も多いです。

キャリアにとって最大のマイナスをもたらすのは仕事のブランクです。

仕事の能力が停滞するだけでなく、低下します。そしてそれを取り戻すには長い時間がかかります。

よくスポーツ選手が、一日練習を休むと、元に戻すのに二日かかるということを言いますが、仕事でもそれに似ています。

ただ、ブランクはつくりたくで作るものではなく、大半がやむを得ない事情でつくられたものです。

ここで大切な事はブランク後の適切な職場復帰となります。

一度仕事から離れてから、復帰するには相当な体力と精神力を必要とします。

1まずは仕事に早くなれるような生活を心がけること

2ブランクがあることを理解してくれる職場であること

3周りに協力してくれる人がいること

4復帰後もストレス発散できる場所があること

この4つは最低限必要なことだと思います。

ブランク中に生活リズムが崩れてしまっている状況はよく聞きます。

そのまま仕事に復帰するとかなりきついです。

体力的にも精神的にも相当なダメージが来ることが予測されるため、規則正しい生活が送れるようにリズムを整えましょう。

またブランクがあることを理解してくれる職場であることも大切です。

いきなり負荷のかかるような仕事を任されてしまってはつらいですよね。事前にブランクがあることを理解してくれる職場であることか確認しておく必要があります。

周りに協力してくれる人がいる場合は、身体的・精神的に負荷が軽減されます。

同居している家族の理解があるが、夫、または妻の理解があるかも職場復帰には大切になります。また周りの人に支えてもらえるようにあなた自身が、しっかりと思いを伝えることが大切です。

ストレス発散の場所があることも重要です。

看護師の職場は人の命に関わる仕事ですから、ストレスがたまるのは当然です。

さらに新たな人間系の構築から始まり、慣れない職場での勤務はかなりの負荷がかかることが予測されます。なにか一つでもストレスを発散させることができる趣味などを持つことをおすすめします。

私の場合ですと、筋トレです。運動をすることで頭がすっきりしますし、良く寝られるようになりました。

いずれにしてもブランク後もキャリアをデザインする視点を忘れてはいけません。

⑦出産とキャリア

出産については女性特有の問題であり、キャリアに大きな影響をもたらします。

特に出産のタイミングが大きな影響をもたらします。

現在の平均的な結婚年齢からすると30歳を過ぎた頃に出産時期がくることになります。その直前までに持っていた仕事に対する自己イメージは大きく崩れるケースが多いようです。

出産は女性に与える影響が大きく、自分の子供という存在が人生の価値観の中に大きく入り込んでくるために、仕事に対する価値観が相対的に低下するパターンが多くなるという研究結果も得られているようです。

しかし、それは人間としてごく自然な事であると思います。もしも出産後の働き方のイメージが描けていない場合は早急に考える必要があるし、パートナーとの相談も必要不可欠になってきます。

一旦、最前線からは引いて、ゆったりとした職場で看護をしたいという思いという考え方、

まだまだばりばり忙しいところで看護がしたいという思いもあって良いと思います。

もちろん結婚相手のあることなので簡単にはいくことはないと思うので、よく相談する必要があります。

仕事キャリアのみの視点ではなく、新たな家族を築き、「家族キャリア」としての視点も持ち、キャリアをデザインしていくことが重要になってくるでしょう。

まとめ

どの年代の看護師でもキャリアを意識し、自分自身でデザインしていくことを忘れてはいけません。

今の職場で良いのか、良いならどのようなキャリアを歩んでいくのかをしっかり考えなければなりません。

また転職をするにしても、本当に良い職場に出会うために、自分がやりたい看護をするためにしっかりと情報を収集していく必要があります。

看護師のキャリアの幅は多様化してきており、本当に自分のやりたい看護を追求することができます。

またどれだけ、自分の未来を思い描き、そしてそれに向かって挑戦することが重要であり、それが自分のキャリアになっていきます。

そして人生は一度きりですので、納得のいくキャリアを歩んでいきたいと思います。

転職オススメサイト一覧

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「転職の極意」

・自分はどんなキャリアを歩みたいか明確にする事

・自分に合った職場と働き方を見つける事

・転職サイトの登録で必要な情報収集する事

・必ずしも転職エージェントを利用する必要はない事、必要に応じて転職エージェントのサポートを受ける事

ABOUTこの記事をかいた人

「看護師としてのキャリアってなんだろう」 と日々考えているとある看護師 新人からHCU配属。HCU,ICU,ER経験。 新しいチャレンジをしてみたいと考え、思い切って企業に転職。外資系医療機器メーカーのクリニカルスペシャリストとして働きだす。 企業で働き始め、「やはり看護は面白かった」と再考。 再び看護師へUターン。 「どうせなら新しい看護にチャレンジしよう。」と精神看護の道へ。 現在精神看護師として救急病棟で勤務している。 学歴 専門学校卒→放送大学卒(教養学) 学位授与機構で看護学士取得済